就労移行支援と就労継続支援(A型・B型)の違い

就労移行支援とは(簡潔に)

就労移行支援は、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスの一つで、一般企業への就職を目指す障害のある方に対して、就職に必要なスキルの訓練や就職活動のサポートを提供するサービスです。

利用期間は原則最長2年間で、この間に職業訓練、ビジネスマナーの習得、企業実習、面接対策などを行います。利用中に給与や工賃は発生しませんが、就職に特化した手厚い支援を受けられます。全国平均の就職率は約57%で、就職後の定着支援まで一貫してサポートが受けられる点が大きな特徴です。

詳しくは就労移行支援とは?の記事をご覧ください。

就労継続支援A型とは

就労継続支援A型は、障害や難病のある方が雇用契約を結んで働く障害福祉サービスです。事業所と雇用契約を締結するため、最低賃金以上の給与が保証されます。

A型事業所では、一般企業で働くことが現時点では難しいものの、一定のサポートがあれば継続的に働ける方が対象です。一般企業への就職を目指すステップとして利用する方もいます。

就労継続支援A型の特徴

  • 雇用契約あり:労働基準法が適用され、最低賃金以上の給与が支払われる
  • 利用期間:制限なし(長期間利用可能)
  • 対象年齢:18歳以上65歳未満
  • 平均月収:約8万3,000円(令和4年度全国平均)
  • 勤務時間:1日4〜6時間が一般的
  • 主な業務:カフェ・レストラン運営、データ入力、清掃、パッキング、Web制作、コールセンター など

A型のメリット・デメリット

メリット デメリット
最低賃金以上の給与が得られる 勤務時間が短く、収入に限界がある
雇用契約があり安定している 一般企業への移行率は約25%と低め
働きながらスキルアップできる 事業所によって業務内容に差がある

就労継続支援B型とは

就労継続支援B型は、雇用契約を結ばずに自分のペースで生産活動を行える障害福祉サービスです。比較的障害が重い方や、体調の波が大きい方でも無理なく通所できるのが最大の特徴です。

就労継続支援B型の特徴

  • 雇用契約なし:「工賃」として作業に応じた報酬が支払われる
  • 利用期間:制限なし
  • 対象年齢:制限なし(65歳以上も利用可能)
  • 平均工賃:約1万7,000円/月(令和4年度全国平均)
  • 主な業務:軽作業(封入、仕分け、シール貼り)、手工芸、農作業、清掃、パン・菓子製造 など
  • 通所ペース:週1日・短時間からでもOK

B型のメリット・デメリット

メリット デメリット
自分のペースで無理なく通所できる 工賃が低い(月平均約1.7万円)
利用期間・年齢制限がない 一般企業への移行率は約3%と低い
社会参加・生活リズム改善の場になる スキルアップの機会が限られる場合がある

3つのサービスの違い比較表

就労移行支援・就労継続支援A型・就労継続支援B型の違いを一覧表で比較します。サービス選びの際にぜひ参考にしてください。

比較項目 就労移行支援 就労継続支援A型 就労継続支援B型
目的 一般企業への就職 雇用契約のもと働く 生産活動への参加
雇用契約 なし あり なし
対象年齢 18〜65歳未満 18〜65歳未満 年齢制限なし
利用期間 原則最長2年 制限なし 制限なし
給与・工賃 なし 最低賃金以上(平均月約8.3万円) 工賃(平均月約1.7万円)
一般就労への移行率 約57% 約25% 約3%
主な活動内容 職業訓練、就活支援 実際の業務に従事 軽作業、生産活動
利用料自己負担 所得に応じて0〜37,200円/月 所得に応じて0〜37,200円/月 所得に応じて0〜37,200円/月
通所ペース 週2〜5日が一般的 週4〜5日が一般的 週1日〜でも可

費用の詳細については費用ガイドをご覧ください。

どのサービスを選ぶべきか

自分にどのサービスが合っているかは、現在の体調・就労経験・目標によって異なります。以下の診断チャートを参考にしてください。

就労移行支援が向いている方

  • 一般企業への就職を目指している
  • 就職に必要なスキルを身につけたい
  • 就職活動のサポートを受けたい
  • 利用中の収入がなくても生活できる(障害年金や貯蓄がある)
  • 2年以内に就職したい目標がある

就労継続支援A型が向いている方

  • すぐに一般企業で働くのは難しいが、雇用契約のもとで働きたい
  • 最低賃金以上の収入を得ながらスキルアップしたい
  • 一定の支援があれば継続的に働ける
  • 将来的には一般就労を目指したい
  • 週4〜5日、1日4〜6時間程度の勤務が可能

就労継続支援B型が向いている方

  • 体調の波が大きく、毎日の通所が難しい
  • 自分のペースでゆっくり活動したい
  • まずは社会参加・生活リズムの改善から始めたい
  • 現時点では就職よりも日中活動の場を求めている
  • 長期間にわたって安定した居場所が欲しい

迷った時は、まず事業所の見学に行ってみましょう。実際に見て、スタッフに相談することで、自分に合ったサービスが見えてきます。複数のサービスの事業所を見学して比較するのもおすすめです。

サービスの併用・切り替えは可能か

併用について

原則として、就労移行支援と就労継続支援の同時併用はできません。いずれか一つのサービスを選んで利用する必要があります。ただし、日中活動系以外のサービス(グループホーム、居宅介護など)との併用は可能です。

切り替えについて

サービス間の切り替えは可能です。以下のようなケースが一般的です。

切り替えパターン よくある理由 手続き
B型→就労移行支援 体調が安定し、就職を目指したくなった 相談支援専門員に相談、受給者証の変更申請
就労移行支援→A型 2年で就職に至らず、雇用型で働きたい 同上
A型→就労移行支援 一般企業への就職を改めて目指したい 同上
就労移行支援→B型 体調悪化により、ペースを落としたい 同上
A型→B型 体調面でA型の勤務が困難になった 同上

切り替えの際には、現在利用中の事業所のサービス管理責任者や相談支援専門員に相談し、新しいサービスの受給者証を取得する必要があります。

注意点:就労移行支援の利用期間(原則2年)は、途中で他のサービスに切り替えた場合でもカウントが進みます。例えば、1年間就労移行支援を利用してB型に切り替え、その後再度就労移行支援に戻った場合、残りの利用期間は1年間です。利用期間を有効に使うためにも、慎重にサービスを選びましょう。

就労定着支援との違い

もう一つ混同しやすいサービスとして就労定着支援があります。就労定着支援は、就労移行支援などを利用して就職した方が、就職後に職場定着のための支援を受けるサービスです。利用期間は最長3年間で、就職後の職場での困りごとの相談、企業との調整、生活面の支援などを行います。

まとめ

就労移行支援・就労継続支援A型・就労継続支援B型は、それぞれ目的も対象者も異なるサービスです。一般企業への就職を目指すなら就労移行支援、雇用契約のもとで収入を得ながら働くならA型、自分のペースで活動したいならB型が適しています。自分の現在の体調や目標に合わせて最適なサービスを選びましょう。どのサービスが合うかわからない場合は、お住まいの地域の事業所を見学して、スタッフに直接相談してみてください。相談支援事業所で専門員に相談するのもおすすめです。

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